「経済成長という病」を読む [読書]
内田樹氏の紹介(勿論直接ではない)から行き着いた、平川克己氏の本。
非常に珍しい「まっとうな意見」が書かれているいるいい本だと思う。
商の側に居て経営者にまでなっている人の本なんていうのは、所謂ビジネス本で、
もっともっとパフォーマンスを上げるために、何が必要かノウハウを教えるヨって言うテキストが多いのだが、
全然違う。
商の側に居ながらも、「士」が書いたと感じさせる本。
文章を通じての目線が我々市井の人物と近く、しかも必要以上に上を向けと鼓舞するのではなく、
なんというか日常を愛する目線である、非常に心地よく感じた。
著者ほどロジカルな表現は、僕には出来ないが、自分が考えていたことを、考えた人がこんな所にいたのかという喜びがあった。
景気が悪いなんていうと、われわれ日本人は必要以上に反応してしまう、と私は思う。
やれ国債発行だ、景気対策だ云々。
いつも右肩上がりでは行くわけないが、そういうことに馴らされている我々は、どうしても飛びついてしまう。
↑我々島国の国民は、度量が狭くて、気が短いと150年前に勝海舟が云っていたが(笑)
そこを当事者意識というものを持ちながら読み解いていくあたりが、けっこう好きだ。
ただ、安直な回答はない。これはむしろいいのだと思う。既存のビジネス書は安直な回答で溢れているではないか。
市井の人物を描いた吉本隆明からの引用から続くテクストを読んだだけで、十分この本が価値があると思う。
自分としては少し勇気をもらった読後感だった。
駄文失敬。
愚禿読む 1月分 [読書]
あの映画は、死と共に生があった。死の近くに居るほど、生は強烈で彩りがあることを実感した。
しかし、親鸞の思想は深い、酸いも甘いも、清きも澱みを包括する物凄い思想だなあ。
梅原猛が指摘している通り、右肩上がりの時代が終わり、人口も減ってくる、いわば斜陽の時代にこそ読まれるべき書だ。
鎌倉仏教当時もそうだったそうな。読んでいてゾクゾクするほど、大きく、惹きつけられた。
普通堂々と言えないこと、これが自分を勇気付ける。
もう1つの興味。
我は何をして食べていくか。
文章でメシを食べたいが、現実はまだまだ。
この世でいちばん大事な「カネ」の話 (よりみちパン!セ) (よりみちパン!セ)
- 作者: 西原理恵子
- 出版社/メーカー: 理論社
- 発売日: 2008/12/11
- メディア: 単行本
大好きな内田樹氏の本をほぼ読み終えたので、こちらに移った。
ビジネスと思想が混ざった、非常に面白い書。
東京ファイティングキッズ (朝日文庫 う 15-1) (朝日文庫)
- 作者: 内田 樹
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2007/05/08
- メディア: 文庫
谷崎潤一郎を読む。
これは面白かったよ、日本って確かにそうだ。陰翳は経験がなくても僕の中にプロットされている。
厠の記述は秀逸。
年末年始は、久々に養老節を、頭ではなく「身体」に主眼を置いた視点は、読んでいてとても快と感じる。
計10冊、間違いないよ。内面のひっかかりがあり、世界の見方が少し変わる良書です。
リーダーシップ [読書]
非常に、いい本に出会った。
こういうときは、本当にうれしい。うれしくて何度も読み返せる本は、なかなか見つけにくい。
いい本は自分を主役にしてくれる。そんな本だと僕は思う。
リーダーシップを問うた本で。
いわく、「リーダーになりたくてなる人はいない。プロセスとして結局リーダーになる人が現れる」ということも、非常に納得のいく表現だった。
まずは、自分の情熱をもって、これは価値がある、こんな世界が見たい!といったような「リード・ザ・セルフ」から始まり、
その意志に共鳴する、シンクロする人が後から現れてくる「リード・ザ・ピープル」
そして、それが社会にまで共鳴をする「リード・ザ・ソサエティー」というフェーズまで高まる。
これがリーダーシップ。役割としてではなく、プロセスとしてリーダシップを扱った画期的な本だった。
基準はあくまで自分。自分が考え、意味づけを行ったり、価値があると思ったりすることが出発点。
そして、その自分の信念を信じる意志の力。リーダーは「見えないものを見る」(よくビジョンと表現されることが多い)
思えば、松下幸之助さんは、日本が貧しい時代に、「水道哲学」といって、モノを安くして水道のように行き渡らせることが、「見えていた」し、
本田宗一郎さんは、みかん箱の上に乗って、「マンUレースに出て世界一になる」ことや「四輪のホンダが世界中を走っている」ことが、「見えていた」のだなと。(そんなに明確じゃなかっただろうけど。信じていたんでしょう)
ユニクロも、コンビニも世界を変えた。リーダーには当時でもそんな見えなかったものが見えていたのだな。
フィードバックして、僕の視点は、一介のサラリーマン。
まずは「自分!」これが非常に勇気付けられます。自分の強い意志が発揮できる具体的なものを僕は持っていないですが、日常の現場でも少しは転がっている(ように感じる場面もあります)。それを見つめて、考える、果たしてオレはこれをどうしたいのか?どうあるべきだと思うのか?そうやって問うことが第一歩だと感じました。
答えは、自分自身にあると言い切ってくれることが、この本の素晴らしいところじゃないかと強く信じております。
読書ウィークでした [読書]
アマゾンの元バイヤーの書籍。
ネット上での評判も良い。
初めはできない社員だった⇒今では会社を興すまでに!⇒その間の考え方を紹介しよう。という内容です。
その考え方のうちで、印象的なのは・・・
自分をとことんまで安く売り、価値を上げる!
そうしていると、いずれ出世も独立も自由。という感じだそうです。
すごく響く部分もありましたが、全体的にどこかで読んだ自己啓発書の焼き回しという感じ。
これは、正直何度も読み返したい、価値のある本です。
というのも、地道で誰でもできるお金の増やし方を書いてあるから。
給与の1/4は貯金に回し、普段は3/4で生活する。
1/4がある程度まで貯まってきたら、株などの投資にまわす。
投資の第一条件は安全確実である。しかし、安全確実を目的とすると、何もできない。
だから、比較的安全と呼べるものまで範囲を広げる必要がある。
そしてなんといっても、金言は、
「金儲けは理屈でなくて、実際である、計画でなくて努力である。予算でなくて、結果である。
その秘伝となると、やっぱり根本的な心構えの問題となる。」
心構えを勉強中です。当たり前のことを当たり前にできることが一番大切かと感じました。
他にも、メモしたい言葉ばかりです。
他にも、
「心のDNA」の育て方~夢と目標を実現する7つの心理セラピー~(CD付)
- 作者: 石井裕之
- 出版社/メーカー: フォレスト出版
- 発売日: 2007/06/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
こんな本を今週は読んだ。
2007年6月の読書 [読書]
ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する―絶対に失敗しないビジネス経営哲学
- 作者: 島田 紳助
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2007/05
- メディア: 新書
ユダヤ人大富豪の教え 1 コミック版 アメリカ旅立ち篇 (1)
- 作者: 本田 健
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2007/05
- メディア: 文庫
ユダヤ人大富豪の教え 2 コミック版 弟子入り修業篇 (2)
- 作者: 本田 健
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2007/06
- メディア: 文庫
大体こんな感じです。
日々の心持を大切に [読書]
2日間で読みました。
自分の今の心境にフィットする本だったので、久々のヒットです。
内容はいたってシンプル。
「心を積極的に」→プラス思考と解釈します。
「マイナスな言葉を発すれば、自分の心までマイナスになってしまう。
前向きな言葉を使っていこう!」
極端ですが、どんなに病に冒されようが、貧困になろうが、心さえプラスだったら、
痛くもないんですね。返って楽しめちゃうと思います。
たとえば、仕事上で追い込まれたと感じるのは、心がそう感じてるだけで、
「命までとられねえよ」と考えると結構前がクリアに見えてくることありません?
プラス思考で、常にプラスの言葉を使うようにしていきたいと益々考えるようになりました。
何度も読み返したい本に出会う [読書]
本を読むのが大好きな人間なんですが,何度も読みたい!
と思わせる本にはなかなか出会えません.
人との出会いのようですね.なかなかこれは俺と価値観が会うぜ!
っていう本や人には、なかなか出会えません。
たくさんの本、たくさんの本がある中では,そんなもんだと思います。
本は何がいいって,これは名著だという本でも高くないんです.
名著も駄作も値段的には変わらない、これがいいです!
岡本太郎さんの本が大好きで「強く生きる言葉」とか「壁を破る言葉」であるとか
「自分の中に毒を持て」は何度も読める自分の中では名著です.
そして最近またいい本に出会いました.
ドラッカーの「経営者の条件」
マネジメントの権威、ピーター・ドラッカーによる3大古典のひとつ『The Effective Executive』の新訳。もともと1966年に出版されたものが版を重ね、2001年現在で第15版を発行するに至っている。
本書で言う「エグゼクティブ」とは、何も経営幹部だけのことではない。ドラッカーは本書のなかで、「今日の組織では、自らの知識あるいは地位のゆえに、組織の活動や業績に対し、実質的な貢献を行うべき知識労働者は、すべてエグゼクティブである」と述べている。したがって本書で述べられる内容は、おそらくほとんどの知識労働者に当てはまるものと推測される。
本書の主題は、どうすれば成果を上げられるのか、という1点に尽きる。ドラッカーは、この成果をあげるためにエグゼクティブがなすべきことを、時間の管理、貢献へのコミットメント、人間関係、自分や部下の強みを生かす方法、仕事の優先順位、意思決定などの視点から解説している。GMのトップだったアルフレッド・P・スローンや、鉄鋼王カーネギー、南北戦争でリンカーンを苦しめたリー将軍らが、いかにして成果をあげたのか、興味深い分析がなされている。事例が古いのは仕方がないが、その洞察には目を見張るものがある。経営幹部やミドルはもちろん、新入社員にもぜひ読んでいただきたい。(土井英司)
これは,読んで知識を得て終わるといった本ではなく,
自分の経験が増えれば増えるほど,内容に深みが出てくる本だと思います.
仕事で成果をあげるのには、どうしたらいいか?
という疑問にしっかり多面的な視点で答えてくれます.
時間を意識的に管理できるかどうか。
どうしても会社の中に目をむいてしまいがちになりますが,外に成果があるということ.
人は強みによって仕事を行うということ.
仕事で成果をあげるの人は,性格に違いがあるのではない。
成果をあげる習慣を普段から身に付けているかどうかである.ということ。
その習慣は誰でも習得できるものであること。
非常に勇気をもらえる本でした.
時間が経ってからそのたびに何度も読み返して,教訓として自分の中に取り入れていきたいです.
代表的日本人を読む [読書]
一気に買ってしまいまして、昨日はこの本を読みきりました。
明治30年代、西欧化の道を突き進んだ日本人は、一方で深刻なアイデンティティークライシスに陥る。ここまで西欧の真似をする日本とは何なのか。それを受け入れている自分とは何者なのか――。武士の子に生まれキリスト教に帰依した内村鑑三(1861-1930)は、この危機を真摯に生きた。英文で発表され、各国で翻訳された本書は、西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮上人という5人の偉人の生涯を紹介しながら、日本的な道徳や倫理の美しさを切々と説く。自分はイエスキリストに従う者である。と同時に金銭に対する執着や狡猾な駆け引きを嫌うサムライの子である。明治の精神が生んだ真の啓蒙書。(宮川匡司)
『ことし読む本いち押しガイド2000』 Copyright© メタローグ. All rights reserved.
非常にいい本です.こんなかっこいい日本人がたくさんいたことを誇りに思うし
俺も頑張らないとなんて思いました。
5人に共通していたことは,自分も投げ打ってでも、人に尽くす、世に尽くす姿勢ではないかと
強く感じました.名前も要らないし、地位も要らない。社会的に上に立って指導をした人たちですが、
まったくおごりがなく,むしろ目線は、ずっと下から見ているといいましょうか・・・
一番共感したのは,上杉鷹山の項です。
財政難の藩を自ら粗末なもの着て、先頭にたって、支出を抑え財政を豊かにしたこと,
側室を1人も迎えず添い遂げたこと。今の政治家にも見習ってほしいもんです.
「自己を修める者にしてはじめて家を治め、家を整える者にしてはじめて国を治める」
うーん、自己さえまだまだです.
「武士道」 [読書]
国家の品格を読んで以来、日本の昔の本を読んでみたいと思っている。
読み始めたのは、新渡戸稲造の武士道
読んだ感想。
ものすごく知的な文章だ。難しいわけではなく、むしろ分かりやすい。
5千円札の氏の本を読むのは初めてなのだが、
外国の人でも分かるように、外国の有名な学者、有名な本から引用してある。
つまり新渡戸さんはそれだけ読んできたということ。
この本の出版で世界中から氏を賞賛することがあったようだが、これだけ勉強している人は、
本当に世界を探してもいなかったであろうと思った。すばらしい。
初めの方は、日本人として知っている内容でもあるので、説明がややこしく感じたが、
後半はものすごく読ませる。武士道は、形式的にはなくなるだろうが、
精神の中に残るであろうという記述は圧巻だった。
人間失格を読んでへこむ [読書]
一日で読んだんですが,凹みますね・・・
周りの人間から自分を守るために,人は少なからず演じる部分があると思います。
太宰は「道化」とこの本で言っていますが,本位でないことを演じて、
人に本当の自分とは違った印象を与えることは、その人が世間・人間について、
考える人であればあるほど、痛いもんなのだと感じました.
そして、自分も人前では多少演じることがあるので,共感してしまいます。
俺は世間を怖がって演じているだけで,なんというか嫌なやつだ。なんてね。
文学とは,人間の本質を深くエグるものである。
3月にある人が言ってました。